「喪服を買いたいんだけど・・」
そんな母の言葉がこのブログを書き始めたきっかけです。
80代半ばだった母が今さら喪服?!
すでに喪服は持ってるし、ちゃんと着られるし、悪いけどあと何回着るの、まずはタンスの中の整理からじゃない?・・と色々なことが頭をめぐり、「今さら要らないでしょ。」と冷たい返事をした私。いまだにあの時もっとちゃんと聞いていればよかったと後悔しています。
母が他界して洋服ダンスを整理していたらまだ値札がついたままの新品の喪服発見!ええっ!いつの間に!
具合が悪い身体を押して母は一人で新しい喪服を買いにいっていたのです。
それから一つずつ荷物を整理して気が付いたこと。何とかスッキリ、さっぱり暮らしたかったんだろうなぁと思われる痕跡があちらこちらに見られました。
その中には”年をとってからの片付け”の良い点とヒントがたくさん隠されていました。
年をとってから片付けるとわかる5つのよい点
- 身体の負担を減らせる
- 危険を回避できる
- 自分のモノとじっくり向き合える
- 人生が前向きになる
- 経済的な無駄を少なくできる
身体の負担を減らせる
毎日暮らしていて何も不自由がないからこのままでいいと思っていますか?
でもよ~く周りを見回すとそれはただ小さな不自由に慣れてしまっているということがよくあります。
置き場所を変えたり、並べ方の順番を変えたりするだけで背伸びをして取っていたものがすぐに取れたり、かがむ必要があったところではただ手を伸ばすだけでモノを取り出せるようになったり、楽な動作で身体的な負担を減らせます。
若かったころは何でもなかったことが、年を重ねると意外と大変なんです。
危険を回避できる
知人の話では実家に行くととにかく床にモノが置いてあるといいます。
衣類、バッグのみならず買物してきたものがそのまま置いてあったり、さらにはあっちこっちにペットボトルの水が置いてあるそうです。ちなみに水は飲みたい時に飲めるようにということらしいですが・・。
だから部屋を横切るのにジグザグに歩かなくてはいけない。食器棚を開けるためにはその前に置いてある荷物を移動させなければいけないというのです。
これは高齢者には危険極まりない状態と言えます。何かにつっかえて転倒してしまったら大変。若かった時のように機敏に動けませんから大転倒となり大けがに繋がります。
必要なモノが奥にあれば前のものを移動する必要がある。場合によってはものが崩れてきたり、落ちてきたりしないとも限りません。
片付けは安全に暮らすためにも必要不可欠なことなのです。
自分のモノとじっくり向き合える
若い時には仕事だ子育てだと忙しかったかもしれませんが、年を取ると時間があります。
こんなアドバンテージを生かさない手はない!
いついつまでにきれいにする・・など一気に片付ける必要はなく一つずつ丁寧に作業ができます。
つまり自分のモノにじっくり向き合えるということです。
思い入れのあるモノたちについてはなおさら。例えば写真。じっくり整理して必要なものだけに絞る時間があります。
最近は生前整理、つまりこれからの人生をすっきり楽しく過ごしていくために自分の人生を整理するという考えが広まってきました。その意味でもよいチャンスではないでしょうか。
人生が前向きになる
人生が前向きだなんて大袈裟な・・と思うかもしれませんがホントですよ。
部屋を片付けると人を自分のウチに招待することができるようになる。人を呼べる状態ではなかった時は外で会うか、出かけていくのが面倒になると雑然とした中で時間を過ごすことになる。
でも人を呼ぶとなるとお茶菓子は何にしようかな、お花の一輪でも飾ってみようかな、いい香りのものでも置いてみようかな・・ととても前向きになるはず。
乱雑な空間では思考力が鈍り、つい適当に物事を決めてしまいがちと言われています。
また何か始めようと思っても周りが散らかっているとまず片付けるところから始めなければなりませんが、片付いているとすぐに始めることができる。そこにすでに大きな差があるわけですね。
実家はごちゃごちゃしているから行きたくないなぁと思ってる娘たちも気持ちよく戻ってきてくれるかもしれませんし・・。
経済的な無駄を少なくできる
どこの家にも見られる”あるある”現象ですが、ラップ類、トイレットペーパーの買いだめ、調味料などあるのにまた買ってくる二重買い。あれ、不思議ですねぇ。
でも家の中に何がどれだけあるという在庫量を把握できるくらいに片付いていれば無駄な買い物を減らすことができますよね。
洋服だって自分が何を持っているのかよくわかっていれば、次に何を買い足せばいいのかわかるはず。(という私もかなり衝動買いします・・反省)
さいごに
いかがでしょうか。
気が付けばそろそろ私が母の年代に近づいてきました。そして、片付けがどんなに大変で億劫なことが身をもって感じるようになりました。
昔は家事も一気にやっていたのに今では少しずつ。
今だからこそできる片付け方、今だからこそやるべき片付け方があるのではないかと思います。
でも焦ってはいけません。完璧もいけません。ゆっくり、少しずつ。
そしてこれは何も歳を取った人だけにあてはまるものではありません。年齢に関係なく今のあなたにとってよい空間を求めるなら、あなたが急激な変化に居心地の悪さを感じるならゆっくり、少しずつやればいいのです。
では本人も周りの人たちもみんながハッピーになれるように、母とのやりとりを思い出しながら”みんなが幸せになる片付け”について少しずつ書いていこうと思います。
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